三菱自動車 軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」販売再開へ
三菱自動車工業(東京都港区)は11月24日から、ワンボックスタイプの軽商用電気自動車「ミニキャブ・ミーブ」の一般販売を再開する。価格は、243万1000円―245万3000円(税込)。
同車両は、国内メーカー唯一の軽商用EVで、2011年12月から配送業などを中心に販売。2021年3月末に一旦生産を終了し、一部法人向けとして販売を続けていた。
同社では、「現在、カーボンニュートラル社会の実現に向けて各方面で脱炭素化の取り組みが加速し、サステナブルな事業活動を展開する物流関係や自治体などで軽商用EVの需要が高まっていることを受けて、一般販売の再開を決定した」と説明している。
総電力量16kWhの駆動用バッテリーと小型・軽量・高効率なモーターなど、世界初の量産EV「アイ・ミーブ」で実績のあるEVシステムを搭載。一回の充電あたりの航続距離は133km(WLTCモード)。「軽商用バンの77%のドライバーが1日あたりに走行する距離は65km未満で、主に移動範囲が限定される配送業などで利用いただいている」という。
駆動用バッテリーの電力をより有効に使うため、回生ブレーキ機能で減速時にはモーターが発電機として働き、回収した電気を駆動用バッテリーに戻して充電。電力消費を抑える「ECO」、通常の「D」、回生ブレーキの効きを強めた「B」と3つのドライブモードを設定しており、運転状況によって任意で選択が可能。
なお、AC200V(15A)での普通充電では約7時間で満充電となり、業務終了後に充電すれば翌日の業務開始時には満充電状態で使用できる。
また、駆動用バッテリーをフロア中央に配置するなど荷室容量を犠牲にすることなく、EVコンポーネントを搭載。「大きな段ボールを14個積むことができる大容量の荷室を確保している。荷物を固定するためのフックや荷室を仕切るレールなどを設置しやすいよう、10か所にユーティリティーナットを標準装備し、用途に合わせて多彩にアレンジできるよう、商用車としての使い勝手を高めている」。
さらに、「走り出しからモーターの最大トルクを発生できるため、荷物をたくさん積んで重たくなった状態でも、ストレスなくキビキビと走行することが可能。モーターは静粛性が高いため、早朝や深夜の配送でも周囲に気兼ねなく走行できる」とも。
駆動用バッテリーをフロア中央に配置して低重心化したことで、優れた操縦安定性と良好な乗り心地を実現しており、ドライバーの疲労軽減に貢献。「振動も少なく、デリケートな物品の運搬にも適している」としている。
物流エコノミストの鈴木邦成氏は、「しっかりとした荷室が確保されているので小口配送で活用しやすいのではないか」とし、「物流会社の脱炭素への取り組みの一つとしてEV導入が増えてくるかもしれない」とコメントしている。
◎関連リンク→ ミニキャブ・ミーブ
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