運行管理者試験 CBT試験に全面移行、対応いかに
運行管理者試験は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策にともなって、令和2年度第2回にCBT試験を導入。令和3年度第1回試験からCBT試験に全面移行となった。これらによって、運行管理者試験にどのような影響と変化があったのか。ここ数年の運行管理者試験を振り返るとともに、紙を使った筆記試験からパソコンを使ったCBT試験にどのように対応していくべきか関係者に話を聞いた。
CBT試験に移行される前後の受験者数のトレンドについて、運行管理者試験センターの古川一美事務局長は「紙かCBTであるかは別にして、受験者数は、運行管理制度の改正などによる影響は大きい」としたほか、「運行管理者の世代交代の時期も影響する」としている。
「現在は、これらの影響で受験者数が増えた特需も5〜6年以上かけて徐々に落ち着いてきている状況で、数字だけ見るとゆるやかな減少傾向となっているが、世代交代もあるので受験者は急激に減ることはないと考えており、実際に受験者の年齢も少しずつ若返ってきている」とした。
コロナの影響については、そのために受験者が減ったかどうかはわからないとしながらも、再受験が約4割から5割いることも含めて、大幅に減っていないようだ。
「CBT方式が導入されて何が変わったかというと、紙の筆記試験の場合は年2回しか試験の機会がなかったが、CBT方式になって、ある程度受験者の都合で受験の日時、場所を選択できるようになった」
その一方、「受験申請からすべてをパソコンで行うので、普段パソコン操作に馴染みのない人は戸惑いが生じているという問題もあり、操作方法に関する問い合わせはいまだにある」という。
また、試験の内容については、CBT試験になって、100点満点をとる受験者が増えたが、内容自体は大きく変化していないようだ。「全体的な合格率はほぼ30%前後と、CBT試験導入前後で変化はない」としている。
CBT試験に移行したばかりで、受験者も運営側も手探り状態というのが正直なところだが、当面はパソコンに慣れるということが重要となる。受験対策についても、CBT試験への移行やコロナを機に変化しているようだ。
各地で行われている運行管理者試験の対策講座も対面などリアルの講座から、オンラインの講座が増えており、コロナの影響から利用者も増加しているようだ。
運送業コンサルティング並びに運行管理者試験WING塾を行っているWINGジャパン(東京都江戸川区)の山田信孝代表は、「オンラインの対策講座が多くなって需要はあるのは承知しているが、基礎をしっかりと学んで合格したいのであれば、対面での講座も必要」という。
「オンラインの講座は利用しやすいが一方的なので、理解できなければわからないままだが、リアルの講座は、分からないところをすぐに質問することができる」
こうした理由から、WINGジャパンでは、あくまでも対面で行うリアルの講座を行いながら、受験者の需要にあわせて、無料のオンライン講座も1月から開始。ユーチューブで毎日1問、問題の読み上げと解答・解説を行う動画をアップしている。
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