岡山市中区のヤマスイグループ本部でこのほど、「ボルボFH」の導入が延べ50台となったのを記念するイベントと撮影会が開かれた。ボルボ・トラック正規ディーラーのキャリオン(應本一樹社長、岡山県倉敷市)が主催したもので、UDトラックス(埼玉県上尾市)からボルボ・トラックセールスの関原紀男バイスプレジデント、工藤竜也ダイレクターも参加。当日は本社の構内に新型6台を含む計20台のトラクタが並べられ、管理者や内勤社員、日ごろボルボの乗務を担当しているドライバーらもスマートフォンをかざし、記念となる1枚を思い思いの構図で収めていた。

山本水産輸送(山本新吾社長、同区)を中核とする同グループは近年、「ドライバー確保の切り札」としてボルボ製の車両を積極的に投入してきた。新型(2021年モデル)の国内販売が昨年11月29日に始まったが、その第1号となるトラクタは同12月28日に同社に納車されている。現在は新型10台を含む約40台が運行しているほか、8年ぶりに国内に再投入されるリジット(単車)も10台発注しており、順調にいけば年内に納車される見通しとなっている。

同グループがトレーラ輸送に乗り出したのは5年ほど前。「ドライバーの離職率を下げたいと考えていた矢先に『トレーラに乗りたいから会社をやめる』というドライバーが出てきた。(導入が間に合わず)いったんは退職してしまったが、そのドライバーも戻って来てくれ、最近は県外からの応募者も増えている。人材不足のなかで輸送力を確保するために取引先にトレーラ化を提案し、仕事も順調に増えている」と山本社長。計350台のトラック、トレーラを保有する同グループは3年で車両を代替えしており、現在は全体の1割強のボルボ車の割合を今後、リジットの投入も合わせてさらに引き上げていきたい考えだ。

1999年に運送許可を取得して一般貨物事業を開始したが、「その当時からキャリオンさんにお世話になっており、同社がボルボを販売するようになって以来ずっと頼ってきた」(同)という。また、2018年11月に應本氏が社長に就任したタイミングと重なり、「少しでも貢献できれば…そんな思いもあった」(同)と2018年モデルを積極的に導入。わずか2年半で延べ50台を突破することになった。同モデルの保有台数は西日本地区では突出しており、「ボルボを選ぶのは運行を止めない安心感と、ドライバーを守る安全性。ボルボ・ブルー(保証のパッケージ)の存在も心強い」(同)と話す。UDの137か所を含め、全国に169拠点あるサービスネットワークも評価している。

関本氏は「2021年モデルは全車にアイドリングストップ状態で使えるクーラー、ヒーターが標準装備されている」と環境に優しい車である点を強調。ボルボ・ダイナミック・ステアリングにパーソナルセッティング機能が追加されたほか、スタイリッシュになった欧州ミラーの安全性についても「助手席側のミラーに設置されているカメラの映像が車内の9インチディスプレイに映し出され、車体の左側すべてが広く確認できるなど視認性は高い」と、実際に運転席で操作しながら説明。

また、国産車とは違った構造や機能があることも踏まえ、管理者やドライバーを前にキャリオンの担当者が納車時に2時間、その後も毎月1回のペースで整備担当者らも交えながら安全教育を重ねている。應本社長は「ミーティングを始めてから1年余りになるが、コミュニケーションが図れることで情報提供もスムーズになっている。今後もサポート面など、期待にこたえられるようにやっていきたい」と話した。

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