交通エコロジー・モビリティ財団(東京都千代田区)は、運送事業者の環境改善に向けた取り組みを支援する「グリーン経営認証」の普及を推進している。2022年2月時点の登録事業者数は、トラック運送2675社・5037事業所、倉庫160社・565事業所、港湾運送31社・70事業所、内航海運26社・28事業所。グリーン経営業務室の福澤一夫室長は、「グリーン経営の柱はエコドライブ・点検整備・廃棄物の適正処理で、その成果は確実に現れる」と語る。

 

「トラック運送業での認証取得効果は、全国平均で燃費が3%向上、事故は25%削減、故障も19%削減となっている。これを10年間維持すれば、経費の節約額は累積で約1年分の燃料費にも匹敵する」と切り出す同室長。「事故が減るので車両保険も割引になる。認証にかかるコストの費用対効果は10倍以上になり、決して損はしない」と胸を張る。

同室長は、「経済面だけでなく、従業員の士気や職場モラルの向上、人材育成、点検整備記録の適切管理による不測の事態時の第三者証明としての活用など、ソフト面の効果も大いにある」と指摘。「SDGsについても、グリーン経営の取り組みを通じて積極的に関わっていける」とも。

さらに、「当認証はISOに比べて実践的な内容で取り組みやすく、経済的負担も少ない」とし、「Gマークや働きやすい職場認証制度などでも考慮される」という。なお、同認証を取得するには、環境保全やエコドライブなどマニュアルの67ある評価項目の中、36以上の項目に取り組んでいることが必要となる。

「昨年に引き続き、講習会なども中止を余儀なくされているが、新規の認証取得事業者数は大幅には落ち込んでいない」と話す福澤室長。「環境にとっても、明るい未来が来ることを願っている」と語った。

◎関連リンク→ 公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団