第238回:令和時代の運送業経営 休暇・休業・休職対応編(35)
【採用・退職トラブル対応編】㉟
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウイルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今回も前号に続き、「採用・退職時における留意事項」について運送業経営者が知っておくべき労働関連法の内容及び周辺知識について解説してまいります。(その3)
1.入社前に確認しておくべき事項
中小運送業ではドライバーと会社との間で様々なトラブルが起こっています。給与関係、休暇・休日、配車、事故処理、健康問題、秘密保持などいろいろな事項で揉め事が起きているのが実情です。
ドライバーについては、新卒採用はほとんどなく中途採用が多いのですが、前職の退職理由が実際何であったのかなどについて聞くことは、自社でのトラブルを未然に防ぐこととなるため重要です。
さらに、面接時に口答で聞くだけでなく、書面で確認事項について回答を記載してもらうことで、入社後に記載事項と異なる事実が判明した場合に「虚偽申告」を問えることも可能です。
ドライバー不足の状況ではありますが、トラブルが発生した場合の労力を考えると、できるだけ入社前に事実関係を確認し採用する・しないの判断をすることが大切といえるでしょう。
2.情報取得の前に取り付けるべき同意書
まず、「採用選考時における個人情報取り扱いに関する同意書」を取り付けることが必要です。
応募者のプライバシー保護には最大限配慮する必要があります。採用に関係するために個人情報を取得すること、その目的以外に情報を利用することはないことに関し同意を得た上で書面を取り付けます。
その上で、要配慮個人情報の内容と情報利用の主旨を個別に記載し、それぞれに同意を得ます。
例えば、「既往歴」(運転中における突発的な事故を防止するため)、「過去の職歴」(経歴詐称などを防止するため)、「SNSの利用状況」(会社の信頼を確保し、社内秩序を維持するため)などについて「同意」欄にチェックを入れてもらうことが必要です。
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