荷主次第で運送会社の業績は大きく左右される。荷主の経営状況が厳しければ仕事が減り、運賃も上がらないなど悪影響を受ける。逆もまたしかりだ。想定外の事件・事故も、運送経営に強烈な衝撃を与える。

神奈川県厚木市の食品を扱う荷主企業で社内トラブルが発生。その関係者は解任されたものの影響は大きく、今年3月で事業撤退が決まったという。

同事業の配送業務を請け負っていた運送会社社長は突然の連絡に驚きを隠せず、「新たな荷主開拓はそう簡単にはいかない。今はなにも考えられない」と呆然とした様子。

また、荷主の工場で火災が発生し、復旧がいつになるか分からないという埼玉県大宮市の運送会社。「突然の出来事で困惑している。当社はこの荷主からの売り上げが5割弱を占めるため、早期に生産が再開されなければ、業績に大きく影響してくる。復旧のめども立っていないようで、何とも言えない状況」と肩を落とす。

荷主が事業廃止や業績不振に陥れば、運送会社は共倒れすることもあるため、「リスク回避のためには、1社からの売り上げは3割以下に持っていくべき」との声も聞かれる。