福島県を中心に、東北・関東エリアで運送業を手掛けるヤナイ(矢内茂社長、福島県西白河郡)はこのほど、埼玉県にある運送事業者を買収。積載効率を高めるため、事業拠点を新たに作っていく手段のひとつとしてM&Aを実施した。

同社のM&Aを仲介したエスアンドシー(谷洋社長、同郡山市)は、コンサルをはじめ、地域の中小企業の経営をサポートする事業を展開しており、これまでも同社のM&Aをいくつか支援してきた。

今回のM&Aについて、仲介を手掛けたエスアンドシーの簗田久幸部長は「バトンズ(大山敬義社長、東京都千代田区)のM&A総合支援プラットフォームで、ヤナイ様の事業戦略に一致する埼玉県の事業者を見つけたことがきっかけ」とし、「決め手は事業拠点の立地が良かったことと、売り手の前社長と意気投合したことが理由」だという。

「M&Aのアドバイザーとしては何度もバトンズを利用しているが、今回初めて買い手として利用した。ネットでは、いろいろな人がM&Aの取引に参加しているため、相手を見極めることが難しい」としながらも、「福島を中心に活動を行っている我々にとって、東京の買い手と簡単につながることができるのは、ネットならではの魅力」としている。

現状はコロナ禍で、大手企業ではライバル企業同士で共同配送を始めるといった「効率化」を強める動きがM&Aよりも活発化してきているものの、売却する意思のある会社もみられるようになり、東北エリアでは「5年くらい前からM&Aの相談が増えている」としている。

今回のM&Aを終え、ヤナイでは「積載効率を高めて、車一台あたりの売上高を上げていけるように、今後もM&Aを含めた事業拡大・拠点拡大や他社との連携など、できることは何でもやっていきながら事業を進めていきたい」としており、「お客様の『ナンバー1』企業を目指していく」考えだ。

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