第321回:令和時代の運送業経営 労働時間詳細編(121)
【労働時間詳細編】121
今号も前回に続き「労働時間詳細編」として労働時間に関する問題点、論点などを解説してまいります(その6)。
1.勤務中の仮眠時間などに関する最高裁判例
仮眠などの時間が労働時間にあたるか否かに関し、最高裁は「使用者の指揮命令下から離脱しているか」という観点で判断しています。
運送会社では「休憩時間」か「待機・手待ち時間」かが、よく問題になります。会社側は「労働していないのだから休憩時間」と考え、ドライバーは「トラックから離れることができないのだから労働時間」という議論がよく起こっています。その場合、最高裁の判断について留意すべきです。使用者の指揮命令下から離脱していないという実態がある場合は「仮眠時間」も「労働時間」となるという判断がされています。
運送会社の業務で荷主のセンター・ヤード内にいて「いつ呼ばれるか分からない」といった時間が発生することが頻繁にありますが、このようないわゆる「手待ち時間」については「労働時間」と評価され給与・割増賃金の支払い対象となるという考え方になります。
このため、仮眠時間について「労働時間」ではなく「休憩時間」と評価する場合、「使用者の指揮命令下から離脱している」という実態が必要です。そのために、荷積み、荷下ろし、バース接着時間、センター入庫時間などに関し、荷主と協働し「時間指定」を行う必要があります。
「時間指定」があれば、その指定時刻までは「休憩時間」とされ、かつドライバーに休憩取得の「指揮命令」を行うことで「休憩時間」としての定義が明確になります。
2.「休憩時間」に関する研修
「時刻指定」「指揮命令」などを行ったうえで、ドライバーには「研修」を行うことが必要です。最初から理解を得られるわけではないと思いますが、地道に取り組み、徐々に浸透させていくことが必要です。
重要なのは、例えば定額残業制を導入し、給与には影響させないことです。
