バース予約システムの効果について、実際に利用しているドライバーにアンケート調査を行った。本紙がトラックドライバー情報サイト「ブルル」の協力を得て、ドライバー117人に、「バース予約システムで現場の環境が良くなったか」を問うアンケート調査を実施した結果、「変わらない」33.3%、「悪くなった」6%を抑え、「良くなったことと悪くなったことの両方がある」が41%で最多となった。「良くなった」は19.7%にとどまった。

 

あるドライバーは、「システム導入前は、午前中に荷下ろしが完了していたのが、導入後は午前の予約が取れず、夕方下ろしになった。午前中は急ぎの荷物を優先しているようで、それ以外はすべて午後からになってしまい、困っている」と明かす。

 

ほかにも、「同一構内複数箇所下ろしだと、それぞれ予約が必要で、取れる時間もバラバラだったり、統制がとれていない」ことや「予約を取るのが1週間以上前で、予約を入れても時間が直前にならないと分からない」といったことに不満を抱えている。

 

一方で、「待機場所で呼び出し通知が届くので便利になった」と話すドライバーも。ただ、「システムを導入していても予定時間を平気でオーバーする現場もあり、荷待ち時間の改善につながっているかどうかは分からない」とし、「メーカーからの出荷指示が当日の昼前後など遅いのが原因で、現場での出荷準備も遅れるようだ」としている。

9時予約で日没に

 

入場予約システムを導入している現場へ配送するドライバーは、「繁忙期は入庫が多すぎて、予約時間に入っても待たされることがある」と嘆く。「朝9時の予約で時間通りに入ったのに、日が暮れるまで待たされたときは荷物を捨てて帰ってやろうかと思った。なんのために予約しているのか分からない」と憤る。

 

そのうえで「予約システムは一長一短。それほど待たされずにバースに直行できるのは良いところだが、呼び出す手段がSMSの場合は電話とは異なり、通知音に気づかないことがある」と指摘。

 

「SMSで送られてくるURLから専用サイトに飛び、『待機』や『何番バース』などと表示されるタイプもある。このタイプは大手のチルドセンターに多く、表示とともにアラームが鳴るのでなかなか便利」と評価しながらも、「そのタイプのシステムは大抵、ガラケー非対応なのでガラケーを使っている人は特別対応が必要になる」とした。

 

ほかのドライバーからも、「スマホ操作が苦手なドライバーだと、メール(通知)が来てもよく分からず、結局、電話してしまう」といった声が聞かれた。

 

荷主が有無把握せず

 

一方で、混載便や荷主側の認識の問題を指摘する意見も。あるドライバーは、「混載は当日荷物が来てからが勝負なので予約なんてできない。いつになるか分からない予約の隙間に入るから待ちが伸びたケースもある」と話す。

 

また、「予約システムがあるのかないのか、どうやって予約するのか、発荷主側が知らないし、知る術がない」とし、「ドライバーは予約システムがあるのかすら分からないまま行って、システムがあったら予約なしの場合は『積み下ろしがいつになるか分からない』ということがよくある」と明かす。

 

「どうやってシステムを周知させるかとか、混載便など車両や荷物の決まりが遅くて予約しようがない(予約締めに間に合わない)場合の対策がほしい」とし、「予約優先ばかりにして混載便を待たせるなら、『100%貸切で持ってきてもらえよ』と言いたくなる」としている。

 

◎関連リンク→ トラックドライバー情報サイト ブルル