各社が顧客囲い込みに奔走するポイントサービス市場に、新たな強者が台頭してきました。鉄道事業を基盤とするJR東日本が、交通系ICカード「Suica」と新たな金融サービス「JRE BANK」を組み合わせた独自の経済圏構築で快進撃を続けているのです。

 

2024年5月にスタートした「JRE BANK」は、オンラインで預金や振込、住宅ローンなどの銀行機能が利用できるだけでなく、交通事業者ならではの特典が魅力となっています。サービス開始直後は申込が殺到し、一時受付停止に追い込まれるほどの人気ぶりでした。2025年2月末には約50万口座を達成し、目標の100万口座に向け順調に伸びています。

 

注目すべきは既存サービスとの相乗効果です。銀行機能導入からわずか4カ月で、ポイント会員とクレジットカード会員がそれぞれ4.4万人増加、モバイルSuica会員も2万人増えるなど、複数サービスの利用促進に成功しています。

 

利用者にとって魅力的なのは、JR東日本路線の運賃が4割引になる割引券（年間最大10枚）や、普通列車のグリーン車が無料で利用できるチケット（年間最大4枚）といった交通関連特典です。さらに、系列ホテルの宿泊料最大20％割引や、ショッピングセンターのカード年会費相当額還元など、多彩な特典が用意されています。

 

このように、通信大手や銀行が激戦を繰り広げる金融サービス市場において、交通インフラを武器にしたJR東日本の戦略は独自の地位を築きつつあります。あなたも日常的に使う交通系ICカードと銀行サービスの組み合わせで、より便利でお得な生活を実現できるかもしれません。鉄道会社の金融進出が、私たちの消費行動にどのような変化をもたらすのか、今後の展開から目が離せません。

 

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