労働団体の最高責任者が22日、今年の労使交渉における最大の使命について見解を示しました。その核心は「給与アップの波を中小規模の事業所や労働組合が存在しない職場にまで届けること」にあると力説しています。

 

昨年の交渉結果を分析すると、全体では33年ぶりとなる5.1%の給与増を達成した反面、中小企業では4.45%にとどまり、企業規模による格差が一層広がった実態が浮き彫りになりました。この状況を受け、当該労働団体は今年の目標として、全体で5%超、特に中小企業においては6%を上回る水準を掲げています。

 

「どうすれば中小企業の給与改善が実現できるのか」という問いに対し、最高責任者は「個別企業の努力だけでは限界がある」と指摘。製造から消費までの流通過程全体での公正な取引促進が不可欠だと訴えています。日本の雇用者の約7割は中小企業に所属しており、「国の経済基盤を支えるこれらの企業が活気を取り戻さなければ、経済の好循環は実現しない」という見方を示しました。

 

また、若手労働者の人材不足を背景に、給与アップが若年層に集中し世代間でバランスを欠くという課題についても言及。「人材確保だけでなく、社員の定着や仕事への意欲向上の観点からも、労使が真剣に話し合うべき問題だ」と述べています。あわせて「すべての従業員の暮らしが向上し、納得できる配分が行われることを期待している」と労使双方に呼びかけました。

 

 

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