街中で目にする機会が増えてきた二連式の長大バス。一見すると高速道路を疾走する連結トラックのバス版のように見えるかもしれません。しかし、外観の類似性とは裏腹に、両者には根本的な違いが存在します。

 

二連式バスを動かすには大型免許だけで十分なのをご存知でしょうか？これは車体が柔軟な接続部で一体化しているという法的解釈によるものです。とはいえ、その操縦には特殊な技術が求められるため、実務では牽引資格保持者が担当するケースが多いようです。

 

都市部の一部路線では乗客数が増加傾向にあります。この状況に対応するため、交通事業者は効率的な対策を模索しています。二連式バスの採用によって、運転手一人あたりの輸送能力を約50%増強できるのが最大の魅力です。

 

しかし導入の障壁も存在します。横浜市のハイブリッド二連式バスは約8800万円、通常の路線バスが2500万円程度であることを考えると、その価格差は歴然です。さらに停留所やターミナルの改修も必要となり、初期投資の回収には相当な時間がかかるでしょう。

 

それでも二連式バスが全国12以上の都道府県で導入されているのには、もう一つの重要な理由があります。それは地域の話題作りとしての広報効果です。珍しい大型車両の運行は地元の注目を集め、公共交通機関の存在感を高める戦略としても機能しているのです。

 

あなたの街にも、この独特な形状の巨大バスが走る日が来るかもしれません。それは単なる移動手段の進化ではなく、交通事業者の経営戦略と地域活性化の両面を担う新たな公共交通の形なのです。

 

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