連続台風の猛威に襲われた伊豆諸島の八丈島。11月12日、約30日ぶりに海の恵みが食卓に戻ってきました。地元料理を提供する「梁山泊」では、ついに地元産キンメダイの調理が再開。「これぞ夏の賑わい」と、山田一行さんは久々に喜びを口にしました。断水解消後も観光客が途絶え、閑散としていた店に活気が少しずつ戻りつつあります。

 

「この魚が島の経済復興の引き金になれば」と山田さん。売上低迷からの脱却を願いながらも、「災害対応で来島した方々にも、ぜひ地元の味を体験してほしい」と熱い思いを語ります。島の食が灯す希望の光は小さくても、確かな存在感を放っているのです。

 

一方で、あなたが島を訪れると、八重根港の損壊した屋根など、台風の爪痕はまだ生々しく残っています。こうした現状を写真で記録し続けるのは、中之郷地区の写真家・平田龍乃介さん。「ライフラインが途絶える中でも懸命に復興に取り組む島民の姿は感動的でした」と振り返ります。彼のカメラは、外部メディアが入れない被災地の様子をSNSで広く伝え、地元民に寄り添っています。

 

平田さんは役場と協力し、ドローン撮影で末吉地区の被害状況も空から記録。「現実をありのままに映し出したことが、地元の人々の心の支えになった」と実感しています。今日も彼のレンズは島の変化を追い続けます。「これからの復興過程を記録することで、いつか『ビフォーアフター』として希望の象徴になれば」という夢を胸に、シャッターを切り続けているのです。

 

 

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