安全会議の「今月もご安全に〜第5回〜」 配置転換で事故ゼロを叶えた一歩
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Image: weekly-net.co.jp
安全会議の森川美希です。
「また初めての場所か・・・。今日はどんな道なんだろう」――。
トラックドライバーのDさんは、不安な表情でハンドルを握っていました。毎年1~2件の事故を繰り返しており、その多くが「初めて行く場所」での接触事故でした。その日その日で異なる行き先に向かう不定型の業務。地図や先輩の助言で下調べをしても、当日にならないと詳細が分からない。Dさんの心には、常に小さな緊張がつきまとっていました。

面談で「初めての道は確認が多くて・・・、集中力が切れるんです」と、Dさんの言葉を聞いた私は、管理者Tさんにもその事実をシェアし、対策を考えることにしました。
その対策が、決まったルートを担当する業務への配置転換です。TさんからそれをDさんに提案すると、「給与が少し変わっても、安全に落ち着いて働ける方がいいです」と、固定の業務への配置転換を快く受け入れてもらえました。

Dさんの新しい生活は、決まった曜日と時間に決まったルートを走る日々。先輩ドライバーのアドバイスを一つひとつ実践し、危険ポイントを事前に把握しながら丁寧に確認を重ねました。
後にDさんは「以前は常に追われている感覚だったけれど、今は落ち着いて運転できています。この働き方が、自分に合っていたんですね」と今の心境を語ってくれました。
Dさんの配置転換のように、その人に合った働き方を見つけることも、安全を守る大切な考え方となります。
今の環境での努力・対策を強化するだけではなく、人材配置の見直しを視野に入れることで、事故予防対策の幅が広がるという事例でした。

