日本事故防止推進機構(JAPPA)の上西です。当社のトラック法定12項目動画配信サービスは、おかげさまで導入企業が4000社を超えました。そのコンテンツのなかで毎年、この時期にお伝えしているのが、歩行者との死亡事故リスクについてです。

統計的に見ると、歩行者事故は10月から12月にかけて急増し、特に日没前後の2時間に集中しています。被害者は高齢者が多い傾向にあります。

なぜ高齢者が事故に巻き込まれやすいのか。その一因として、高齢者の特性があります。彼らは目の前のリスクには強く反応しますが、その後に訪れる次のリスクへの注意が弱いのです。道路を渡る際、右側から来る車にはしっかり注意を払う一方で、左から来る車にはほとんど注意を向けない場合があるのです。そのため、右側から横断してくる歩行者と車との接触事故が多発しています。

ドライブレコーダー映像を確認すると、この危険性を示唆する場面が繰り返し見られます。特に、対向車がハイビームで合図をしてくれる場面です。これは「歩行者が渡っている」というサインでもあります。運転者は、この合図を見たら必ずブレーキを踏む意識を持つことが大切です。

これからの季節、夕暮れが早まり視認性が下がります。だからこそ、「かもしれない運転」を徹底し、対向車の合図に敏感に反応していただきたいのです。歩行者を守る意識ひとつで、防げる事故があります。今後も事故ゼロを目指して、安全運転を実践していきましょう。