健全な労働環境を守る取り組みが後退する危険性が浮上しています。高市首相が労働規制の緩和に向けた検討を始めたことに対し、勤労者や労組から不安の声が広がっているのをご存じでしょうか？

 

この動きは、2019年に導入された働き方改革の理念に反するものではないでしょうか。当時の法改正で初めて残業時間の上限が法的に定められ、月100時間・年720時間という具体的な制限が設けられました。しかし今、その枠組みが揺らいでいます。

 

注目すべきは、厚労省のデータによれば「もっと長く働きたい」と考える人は全就労者のわずか6.4%に過ぎず、その半数は年収200万円未満という実態です。つまり、大多数の人々は現状以上の労働時間を望んでいないのです。

 

「裁量労働制」などの拡大が検討されているようですが、これは実質的な労働時間と関係なく一定の給与を支払う仕組みです。あなたも経験があるかもしれませんが、このような制度は過重労働を招きやすいと指摘されています。実際、精神疾患による労災申請は過去14年間で3倍以上も増加したのです。

 

私たち日本の職場では、残業の自己申告や休暇取得の言い出しにくさが今も根強く存在しています。こうした環境で規制緩和が進めば、望まない長時間労働が増え、特に家事育児の負担が大きい女性の就労機会が狭まる恐れはないでしょうか？

 

真に必要なのは、長時間労働を是正し生産性を高める改革ではないでしょうか。あなたの職場環境や生活の質を守るためにも、この議論の行方に注目する必要があります。

 

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