資源調達における選択肢拡大の朗報です。2023年1月30日、商社大手の双日が豪州産重希土類の日本向け取引開始を公表しました。皆さんのスマホやEV車に不可欠な希少金属の供給源が多様化することで、私たちの生活基盤がより安定するかもしれません。

 

「中国一極集中のリスクを感じたことはありませんか？」日本の産業界は長年この課題と向き合ってきました。特に電気自動車のモーターに欠かせないジスプロシウムやテルビウムといった重希土類は、調達先の分散化が急務でした。今回のオーストラリア企業ライナス社からの輸入は、国内需要の約3分の1をカバーできる規模とのこと。双日と資源エネルギー関連機関JOGMECの連携がもたらした成果です。

 

この取り組みの特徴は、西オーストラリアで採掘された鉱石をマレーシアで加工する国際的なサプライチェーンにあります。日豪レアアース（JARE）を通じた資金提供も実を結び、60年代からこの分野に携わってきた双日の長期戦略が実現しました。

 

気候変動対策が加速する今、次世代技術に必須の希少資源をいかに確保するかが国家的課題となっています。特に中国が2023年4月に輸出規制を強化した背景を考えると、今回の取引開始は単なるビジネスニュース以上の意義があるでしょう。あなたが使う製品の背後にある資源戦略に、今一度目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

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