JFE商事エレクトロニクス(柳澤孝彰社長、東京都千代田区)は、GPSトラッカーを用いて、Web上で位置・温度情報を可視化するクラウドサービス「Jiot(ジオット)」を提供している。位置と温度の各情報を一元管理できる同サービスは、導入の手軽さや運用の負担が少ないことが強み。

 

GPSトラッカーは片手で持てるサイズの充電タイプと、単1乾電池3本を使用する長時間使用タイプの2種類。設置工事は不要で、置くだけで運用できる。

 

同社DX事業推進センターの大木康成氏は、「充電タイプはコンパクトさが特徴で、トラックやトレーラに置く運用はもちろん、ドライバーがポケットに入れたり、首からストラップで提げて持ち運ぶことも可能」と語る。「協力会社に渡して、運行が終了したら封筒に入れて郵送などで返却いただける」と、さまざまな利用シーンを想定している。

 

運用でもドライバー側の操作は不要。「事前に倉庫や物流センターをマップ上で登録することで、そのエリアに入る・出るタイミングでメール通知が送られる。エリアは半径20m〜10kmの範囲内で設定でき、『荷待ちエリア』『荷役エリア』など細かく設定することで、荷役・荷待ち時間の可視化も可能になる」としている。

 

「スマホアプリなどは、ドライバーが『荷役開始』といったボタンを押す必要があり、負担が増えてしまうと聞く。当サービスは普段は置いておくだけで運用でき、操作は災害時などの安否確認の際にボタンを長押しするのみ」

 

同時に10台までの走行データ表示や稼働管理、現在位置表示といった機能を備える同サービス。「今後は、運転日報の自動化や他システムとの連携などを予定している」という。

同サービスは、リリース前に10社以上が実証実験に参加。「当初は10分ごとに設定していた情報通信間隔を1分間隔に変更するなど、ユーザーの要望を反映してブラッシュアップした」と振り返る大木氏。「位置情報はもちろん、温度管理もエビデンスがより求められるようになったとの声をいただく。さらに、改正物流関連2法の本格施行で、物流業界のDX化はより進むのでは」と分析。

 

「製品を出して終わりではなく、求められるサービス・機能をこれからも提供していきたい」と語った。

 

◎関連リンク→ JFE商事エレクトロニクス株式会社