ポイ捨ての現場に黙ってはいられない――。愛ト協青年部会(松田元幸部会長、東春運輸)は5月13日、名神高速道路小牧インターチェンジ(IC)出口付近と尾張一宮パーキングエリア(PA・下り)で清掃活動を実施した。

40人の部会員らは終始真剣な表情でゴミと向き合った。モラルなき現実を目の当たりにし、「もし自社のドライバーが…」との思いでゴミを拾い続ける。

清掃場所の小牧IC出口付近は、国道41号に合流する渋滞多発地点。窓から投げ捨てられたとみられるゴミを、参加者らは草むらをかき分けながら丁寧に拾い集めた。ビール缶や異臭を放つ尿入りペットボトルも目立ち、悪質な実態が浮き彫りとなった。

尾張一宮PAでは、本線とパーキングエリアの間に設けられた園地部にゴミが集中。そこは座席位置の高い車両(すなわちトラックなど)からしか投棄できない場所で、投棄防止ネットを敷いているにもかかわらず、被害は続いている。

今回の活動で、小牧では90Lのゴミ袋約20袋、一宮では50袋分のゴミが集まり、総量は100kgを超えた。集めたゴミはすべて分別して処分されるが、尿入りペットボトルの処理も然り。人の手によって行われる。「その現実を知ってほしい」と関係者は語る。

協力したネクスコ中日本名古屋支社羽島保全・サービスセンターの矢嶋貴浩管理担当課長は、「SAやPAにはゴミ箱や清潔なトイレが設置されている。園地部への投棄や立ち小便はご遠慮願いたい」とドライバーに理解と協力を呼びかける。

監視カメラを設置してもポイ捨てはなくならず、映像に映る投棄行為の多くがトラックドライバーによるものだという。

不法投棄は立派な犯罪であり、社名やナンバーが判明した場合は会社への連絡や警察への通報も行っている。

高速道路の美化活動は単なる清掃にとどまらず、業界の信頼回復につながる取り組みでもある。参加者たちの姿勢が、ドライバー全体の意識を変える一助となることが期待される。