JILS 2024年問題ドライバー調査 「収入減った」24% 「休み取りやすくなった」29%

日本ロジスティクスシステム協会(JILS、大橋徹二会長)は、「時間外労働960時間規制に対するトラックドライバーの意識調査」「物流2024年問題の影響と現状にかかわる実態調査」の調査結果を公表。
「時間外労働960時間規制に対するトラックドライバーの意識調査」では、2024年4月以降のドライバーの労働時間に関する回答は「減少した」が46.6%、「変わらない」が44.8%、「増加した」が8.6%。なかでも40歳以上のドライバーの労働時間が減少傾向となったほか、歴が長いドライバーほど時間外労働時間が短くなるなどの結果が出ている。
1か月に80時間以上の時間外労働を行うドライバーは約12%。前回調査の約27%と比べると15ポイント減となった。
一方、規制前に感じていた不安に関して、規制後どのように変化したかについては、全体の約63%が「不安はなかった」としているものの、「収入が減った」(24%)や「業務が計画しにくくなった」(16%)という声があった。「規制後に休みが取りやすくなった」(29%)や「深夜運行が減った」(24%)のような期待されていた通りの変化がうかがえる回答とあわせ、ドライバーの労働時間抑制が進んだ一方で「時間あたりの給与」に課題を残す形となっている。
「物流2024年問題の影響と現状に係る実態調査」では、ドライバーの滞在時間や荷待ち時間、また、ロードファクターおよび積載率も現状維持から拡大傾向にあり、特に製造業、流通業では約3割の事業者が「積載率が大きくなっている」と回答。取り組み状況の改善がみられる調査結果となった。
一方で営業車を使用した貨物輸送で地域間の荷物が運びにくくなった、または運べなくなった月が「なかった」という回答が全体の68.3%であるのに対し、物流業だけの回答結果では約4割が「運べない月があった」と回答しており、荷主の回答との乖離がみられている。
製造業のうち、食品関係業者などは約半数が営業用貨物自動車を利用した輸送が「運びにくくなった」と回答しながらも、今後も貨物量が増えると予想する回答が46.7%となるなど課題を残す形となった。
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