日野自動車の首都圏3販社(東京日野、横浜日野、千葉日野)が統合し、7月1日に南関東日野自動車(毛利悟社長、東京都港区)が発足。販売地域の拠点網を、東京・埼玉・神奈川・千葉の4支社、7ゾーン31拠点とした。毛利社長は、「それぞれの都県単位で」というこれまでの販売体系から、「『点と点』ではなく、面でしっかりユーザーをサポートする体制を作る」のが統合の目的だと説明する。

 

今回の新会社設立を「タイミングとしては必然だった」と語る同社長。圏央道を中心に、次々と大型物流センターが立ち上げられている現状を踏まえ、「南関東は大きく動き出している。ユーザーの広域化に対応し、そのための受け皿をしっかり作っていく方向へ舵を切った」とし、「アフターフォローをワンストップで提供し、しっかりとバックアップしていく」という。

 

 

「単に3社が一緒になったというのではなく、同基準の整備・オペレーションを目指し、同じ会社の仲間として情報の連携も含めて一緒に仕事をしていく」と今後を展望。「請求書ひとつにしても、東京、埼玉、千葉、神奈川それぞれで整備したものをまとめて出すことも可能になる。ユーザーの事務効率の向上や全体的なコスト削減にもつながるはず」。

 

さらに、「整備能力のさらなる底上げも行い、きめ細かくニーズに応えられる体制を築く」という。ICTの進化も見据え、「HINOコネクト」を活用し、「データをもとに燃費改善や安全対策についての提案を行う」ことも視野に入れる。「点検の際に、乗られている一人ひとりのドライバーの特性や車両ごとの状況について医者のような細かい提案を行うのが理想」とも。「新車から整備をしっかりと行って頂ければ良い状態で代替えができる。リセールバリュー分が効いてコストメリットが出せる」とし、「そこに関わるバリューチェーンをトータルサポートしていきたい」と訴える。

 

また、新体制は人材育成の側面も。同社長は、「ドライバー同様、整備分野も人材採用は厳しい状況。そんな中で『この会社に入ってよかった』と思われるように、スキルを上げたり、資格を取得できるような教育に力を入れていく」とし、「日野販社として、ユーザーから信頼されるサービスを提供できるように取り組んでいく」と力を込める。

 

◎関連リンク→ 南関東日野自動車株式会社