全国各都道府県に1つの協同組合で構成する「全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会」の会長が、5月15日付で交代した。前会長の辞任を受け、新会長に就任にしたのは、倉坂正道氏。19年間にわたり赤帽長野県の組合を率いている理事長で、自身も赤帽の会社「ポエム急送」を1987年に設立。自ら社長として経営しながら、赤帽の北関東甲信越ブロック長や連合会本部の副会長も務めてきた。

倉坂氏は会長就任後、各都道府県の赤帽組合員の総会に出席し各理事長に面会、「できるだけ早めに全国をまわり終えたい」という。その感想として「地域によって環境も考え方もかなり異なるのだなあと。それでも赤帽として一枚岩となり〝赤帽のブランド〟を守っていかねばならない」と話す。

しかし今年、行政は、貨物軽自動車運送事業の安全対策強化として営業所ごとに「安全管理者」を選任し、管理者は選任時と2年ごとに講習受講を義務化する制度を新設。さらに4項目の規制措置を一般トラック運送事業並みに引き上げた。赤帽各組合も組合員に対し、制度の周知と順守の徹底が不可欠となった。これらを受け、倉坂会長はまずやるべきこととして、「コンプライアンスの強化。アルコールチェックもしっかりやっていかねばならない。法を守ることが安全面も含めて自分たちを守ることにもなる」と熱く語る。国交省に斉藤鉄夫大臣を訪問し、赤帽からの陳情書を手渡した際も、「2年に一度受けなくてはいけない研修も、個人事業主を一堂に集めて行うとなると、なかなか一斉にはできない。少しでもやりやすい方法をとの模索を陳情項目に入れていたが、国交省からオンラインでもできるように企画しているという回答をもらえたので、これを活用したい」と述べる。

「今年11月から施行となる『フリーランス法』は、全体研修でも少しずつやっているので安心しているが、それでも参加していない組合もあるので、どう周知していくか」と頭を悩ませる。

倉坂会長は「軽貨物運送は、届け出するだけの許可制で軽貨物の仕事ができるようになり、今後、輸送品質の低下が懸念されるが、だからこそ『赤帽だから安心』というブランドの信頼が生きてくる。地域によって組合の規模や考え方が異なるなか、全国で何かを一斉に同じレベルでやるのはとても難しいと思うが、打開策をみつけながらやっていくしかない」

そして「理事長の若返りも少しずつだが進んでいる。若い世代にグイグイと引っ張ってもらって、ベテランの中高年は必要に応じてストッパーになれば良いんじゃないかと」。目前の活動としては、赤帽のマスコットキャラクター名の公募。「マスコットキャラクター『あかぼうくん』の女の子版を赤帽長野県で作成した。この名前を9月に一般公募したい。一つの話題作りになれば良いと思っている」

◎関連リンク→ 全国赤帽軽自動車運送事業協同組合連合会