封鎖の退避地生かす ドライバーの休憩ポイント 岡山9か所の開放要望へ
岡山県の道路整備課から今年3月中旬、「県管理道路における空きスペースの開放について」と題した文書が岡ト協(遠藤俊夫会長=岡山県貨物運送)の本部事務局に届いてから約4か月。ドライバーらの休憩ポイントとして、現在は封鎖された状態になっている国道・県道の路側帯を活用したいという声は全国各地で聞かれるが、そんな事情をくむ格好で県側から動くという異例の対応を踏まえ、岡ト協では会員事業者の意向を再確認。県が「開放可能」と示した22か所のうち7か所と、対象に入っていなかった2地点を加えた計9か所の封鎖解除を県に要望することを決めた。7月上旬にも県に申し入れる。
ごみの不法投棄や夜間の騒音トラブルなど地域住民らの苦情をもとに、トラックドライバーの休憩場所となる貴重な道路わきの待避スペースの多くが全国的に封鎖されている。県内では数年前、岡ト協の関係者が道路清掃などに取り組むことで一部の路側帯の開放に漕ぎ着けた例がある。
それ以降も岡ト協は開放箇所の拡大を求めてきたが、そうした声を踏まえて県は昨年度、閉鎖している199か所を調査。大型トラックが駐車できる93地点のうち22か所について開放可能と判断し、その詳細を先の文書で岡ト協に伝えていた。
ただ、開放するには「清掃や、ごみ捨て禁止の啓発活動などの協力が得られること」という条件が付く。ポイント周辺の会員事業者に協力を求めることになるため、そうした事情を十分に理解したうえで開放を希望するか否かの意思を確認した結果、9地点に絞り込まれた。清掃作業については地元の支部(分会)メンバーに加え、岡山国道ボランティアロードの一員となって国道2号の美化活動を続けている岡ト協の青年協議会(政岩卓会長=丸政荷役)もサポートする考えを示しているという。
開放候補地の近くに本社を構えるトラック事業者は「他県ナンバーのトラックも利用するだろう。むしろ、そうしたケースのほうが多いのかも知れないが、お互い様の考え方で同様の取り組みが全国的に広がれば、休みたいと感じたドライバーがトラックを止められるチャンスが増える」と話す。
なお、開放に向けて要望したポイントは次の9か所。
《県から提示》国道180号(新見市2か所)▽同181号(真庭市)▽同486号(倉敷市)▽県道26号・津山柵原線(久米郡美咲町)▽同339号・西一宮中北上線(津山市)
《岡ト協が追加を要望》県道361号・畑沖勝間田線(勝田郡勝央町)▽同356号・行方勝田線(美作市)
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