第265回:令和時代の運送業経営 管理職編(63)
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【監査・調査対応編】63
「頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今号も前号に続き「監査・調査対応編」として、労基署等への調査対応について解説してまいります。
1.統計データ
実際にどの位の事業者が監査を受け、どのような違反事項があったのか見ていきましょう。厚生労働省が公表した令和4年の監督、指導、送検データは次の通りです。
⑴監督実施事業者数
令和4年には約3000の事業所に調査に入り、法令違反が8割の事業所であり、特に労働時間、割増賃金に問題がある事業者が多いのが分かります。労働時間の違反は届け出していた36協定の限度時間を超えて労働させていることが典型例でしょう。
⑵改善基準告示違反事業者数、違反事項
改善基準告示の違反は全体の約6割、最大拘束時間、総拘束時間、休息期間等の違反が多数を占めています。拘束時間数の削減には「出庫時間を順守させること」が重要で、ドライバー任せにしていると長時間労働が常態化してしまいます。
⑶送検件数
令和4年に労基署調査を契機に書類送検された事業者数は44事業所で、令和3年に比べて増加しています。
是正勧告に止まらず、「書類送検」された場合は社名も公表され経営上の影響も大きくなります。送検に至らないよう改善に取り組む必要があります。
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