「2024年問題」への対応で、ドライバーの確保と拘束時間の削減が至上命題となっている運送業界。ドライバーへの負荷を少しでも減らそうと、普段使用している用具や資材を見直す運送事業者が増えている。

大和紡績(大阪市中央区)の超軽量トラックシート「エアフェザー」は、2022年の発売以降、販売数量が2―3割もアップ。同社繊維資材販売課の西村繁治課長は、「今年度はすでに昨年度を上回る受注をいただいている」と嬉しい悲鳴をあげる。

1平方mあたりの重量は、従来品「ダイワボウファイナル」で580gだったが、「エアフェザー」は390gと軽量化を実現。同社独自のノウハウで、軽さ・薄さと耐久性の両立を図っている。

「これまで、シートを新調する際は縫製会社さんに依頼することが多く、カスタマイズは『形状のみ』というのが一般的だった」と説明するのは同課の吉田亮平氏。「素材から変更することは少なく、シートに軽量帆布などの種類があることもあまり知られていなかった」と肩を落とす。

PR不足を感じた同社では、運送会社にアポを取り、「エアフェザー」を紹介して回ったという。「作業性の良さや扱いやすさを説明すると、『知らなかった』『試しに使ってみたい』との声をいただき、販売アップにつながった。実際に使っていただくと、『数値以上に軽く感じる』『丈夫』といった感想が寄せられている」と目を細める。

また、積み荷にストレッチフィルムを巻く作業も、時間と労力がかかりドライバーから敬遠されるため、防滑紙やベルトに切り替える事業者も。

マルイチ(神奈川県厚木市)の荷崩れ防止ベルト「ケースロック」は、はじめに荷物の上から帯をかけることで、女性でも1人で装着できるのが特徴。従来、大きな手間となっていた装着・収納作業を極限まで簡素化しており、ドライバーの負担を軽減する。

同社担当者は、「30秒で装着・脱着が可能なため、作業時間を大幅に短縮でき、『2024年問題』対策で有効と言われている」とし、「繰り返し使用できるため、一度導入いただければ、使い捨てのラップを購入する予算が不要になる。使用済みラップの廃棄処理の手間やコストもゼロになる」と付け加える。

◎関連リンク→ エアフェザー

◎関連リンク→ 荷崩れ防止ベルト「ケースロック」