双葉運輸(長谷川忠宏社長、広島市西区)を中心に中四国地方で物流事業を展開する同社グループでは、点呼実施者の労働時間を減らすためにITや遠隔を組み合わせて点呼を実施している。

 

昨年11月に遠隔点呼ができる事業者の範囲が広がったことを受け、このほど中国運輸局管内では初めて「100パーセントの資本関係にない事業者間」での遠隔点呼を2月16日から開始する。

 

今回、大竹双葉運輸(呉正男社長、大竹市)のドライバーの出発、帰着の点呼を、新十和運輸(為廣尚武社長、廿日市市)が受託した。大竹双葉運輸はドライバー約30人、トラック約30台を抱えるが夜間、早朝や祝祭日に点呼を行うドライバーが3分の1程度おり、このために出勤する運行管理者の負担が問題となっていた。

 

グループの管理、統括を行う双葉ホールディングスの米村哲次・安全管理副部長は、「点呼ロボットの導入も検討したがルール的に難しい面があり悩んでいたところ、100パーセントの資本関係になくても遠隔点呼ができるようになり、今回グループの2社で実施することになった」と説明。大竹双葉運輸が特に人員配置に苦労していた時間帯は、ほぼ全てを新十和運輸側で行うため、過重労働の解消が期待できる。

 

運行管理者の指示の偏りや伝達不足も防げることや、数年前からグループ全社で使っている運転者台帳などのクラウド管理システムとも紐付け、点呼内容の保存も可能だという。なお、2社の間で受委託契約書を結び、業務の範囲、事故発生時の責任、緊急連絡体制の確立など取り決めも行った。

 

米村氏は、「IT点呼は実施に16時間の縛りがあるが、遠隔点呼は24時間可能。今後も必要に応じて組み合わせ、安全運行のために適切な点呼ができる環境を整える」と話す。

 

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