食卓の主役が大きく変化している昨今、特に目を引くのが肉類消費の動向だ。あなたは最近どんな肉料理を食べただろうか？農林水産省のデータによると、私たち日本人の肉消費量は30年で2割も増加し、1960年度と比較すると実に10倍にも膨れ上がっている。

 

特筆すべきは、かつて豚肉が優位だった市場で2012年に鶏肉が逆転したことだ。2023年度の消費量を見ると、鶏肉14.4kg、豚肉13.1kgと、その差は広がる一方だ。一方で牛肉は苦戦を強いられている。BSE問題以降、消費量は伸び悩み、2023年度は6.1kgと、ピーク時の7.6kgに遠く及ばない。さらに2020年度からは5年連続で前年割れという厳しい状況が続いている。

 

なぜ鶏肉、特にむね肉が人気を集めているのだろう？その理由は価格と健康志向にある。鶏は生後50日程度で出荷可能という生産効率の良さが価格の安定につながっている。また「パサつく」「調理が難しい」といった理由で長らく敬遠されてきたむね肉だが、健康意識の高まりと共に評価が一変した。疲労回復成分を多く含み、高タンパク低カロリーという特性が、ダイエットや筋トレに励む人々から支持を集めている。

 

料理レシピサイトでも「鶏むね肉」は検索ランキング4位に入り、「鶏もも肉」の13位を大きく上回った。レシピ数こそもも肉が優勢だが、むね肉のレシピも8万を超える数が投稿されている。このように、かつての「コメ離れ」に続き、今や「牛肉離れ」も進行中だ。あなたの食卓にも、この変化は訪れているだろうか？

 

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