物流の効率化と環境への配慮を両立させる画期的な取り組みが始まります。自動車業界の主要企業である日産自動車が、飲料大手サッポロホールディングスのグループ企業と物流面での協力関係を構築しました。

 

これまで日産自動車は、神奈川県横須賀市の追浜工場や栃木県上三川町の工場で生産された自動車部品や完成車を、専用船で福岡県の製造拠点へ運んでいました。問題は復路にありました。九州から本州への帰り便では、車両は積載できるものの、部品用の台車は空のまま戻っていたのです。

 

この「もったいない」状況を解消するために考案されたのが、帰りの空きスペースを有効活用する共同輸送システムです。大分県で製造されるサッポロの酒類製品を、これまで使われていなかった空の台車に積み込み、神奈川の港まで海上輸送します。そこからトラックで千葉県の施設へと運ばれるという流れです。

 

この革新的な物流連携によって、陸路だけで輸送した場合と比較して、二酸化炭素の排出量を半分以上（55%）カットできると試算されています。あなたが飲むビールの輸送方法が、こんなに環境に優しく変わっているとしたら、驚きではないでしょうか？

 

異業種間の協力が生み出すこのような取り組みは、物流コストの削減だけでなく、環境負荷の軽減にも大きく貢献します。業界の壁を超えた発想が、持続可能な社会への一歩となっているのです。

 

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