自動車大手とビール業界がタッグを組み、画期的な物流連携に乗り出します。2025年12月1日から、自動車メーカーの専用船を活用した共同海上輸送が始動する計画です。これまで片道だけ有効活用されていた輸送ルートが、往復フル活用の効率的なシステムへと生まれ変わります。

 

あなたがお飲みになるビールは、どのように工場から店舗まで届くかご存知ですか？従来なら大型トラックで長時間かけて運ばれていたものが、この新しい取り組みによって大きく変わります。関東と九州を結ぶ約1200kmの距離を、船と陸上輸送を組み合わせることで、ドライバーの運転時間を19時間から約4時間半へと劇的に短縮できるのです。

 

このプロジェクトの肝は「無駄をゼロにする発想」にあります。自動車部品を九州へ運んだ後、空で戻っていた運搬台に、九州で製造されたビール製品を積み込んで関東へ運ぶという循環システム。これによって、環境への配慮も実現します。両社の試算では、トラックだけで輸送した場合と比べて、年間の二酸化炭素排出量を55%も削減できる見込みです。

 

具体的には、神奈川の自動車工場から福岡の工場へ部品を届ける往路と、大分のビール工場から千葉のビール工場へ製品を運ぶ復路を組み合わせます。物流業界が抱える人手不足や環境問題という二つの課題に、企業の垣根を超えた協力で挑む注目の取り組みといえるでしょう。私たちの生活を支える物流の世界で、こうした革新的な連携が今後も広がっていくことを期待させます。

 

 

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