半導体業界が伸び悩む現在、注目すべきは小売大手イオン（8267）の目覚ましい株価上昇です。実は小売セクター全体が好調というわけではなく、資材費の高騰や労働力確保の難しさ、実収入の伸び悩みなど、業界全体は厳しい環境に直面しています。同業のセブン＆アイは株価が低迷しているにもかかわらず、なぜイオンだけが輝きを放っているのでしょうか？

 

2026年2月期中間決算では、売上高5兆1899億円（前期比3.8％増）、営業利益1181億円（同19.8％増）と中間期として過去最高を達成しました。特に自社ブランド「トップバリュ」の販売が前期比111.7％と急成長し、消費者の節約志向を捉えた戦略が実を結んでいます。

 

現場改革も見逃せません。AI技術を駆使した発注システムや値引き判断の自動化により、店舗運営の効率化に成功。これにより従業員の負担軽減とお客様対応の充実を両立させています。また、「グリーンビーンズ」という宅配専門サービスが首都圏で拡大中で、朝7時から夜23時まで1時間刻みの配達時間指定や、鮮度にこだわった生鮮品配送など、きめ細かなサービスが支持されています。

 

さらに株価上昇を後押ししたのが、最近行われた1:3の株式分割でしょう。投資単位が大幅に下がったことで個人投資家が参入しやすくなり、新たな買い手が増えたと考えられます。こうした複合的な要因がイオンの株価を押し上げ、かつてない高値を実現させているのです。あなたも投資を検討する際は、単純な財務指標だけでなく、こうした多面的な企業価値の変化に注目してみてはいかがでしょうか。

 

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