出版物の流通を担うトーハンの2025年上半期業績が明らかになりました。9月18日の発表によると、単独ベースで8億9200万円の最終赤字に沈んでいます。これは昨年同期に6億4300万円の黒字だったことを考えると、厳しい状況と言えるでしょう。上半期の最終赤字は実に3年ぶりのことです。あなたが普段手に取る本や雑誌の裏側で、こうした経営課題が進行しているのです。

 

赤字の主因は何でしょうか？実は書店やコンビニへの配送コスト高騰が会社の収益を圧迫しています。荷物1kgあたりの配送料金は現在62円と、今年度始めと比較して3割も上昇しました。この急激な物流費増加が、会社の財務を直撃したのです。

 

「予想以上の物流経費増加に直面していますが、下半期で巻き返しを図ります」と同社幹部は都内での会見で述べています。今後は配送ルートの最適化などで支出抑制を試みる方針です。グループ全体の2025年上半期連結実績では、売上高は前年比5%増の1977億円となりましたが、最終損益は15億円の赤字となりました。昨年同期は2億7600万円の黒字でした。

 

同社は今期通期で4億1000万円の経常赤字を見込んでおり、翌期の黒字転換を目指しています。出版物を読者の手元に届ける流通の要である取次会社の経営状況は、私たちの読書環境にも影響するかもしれません。今後の動向に注目する価値があるのではないでしょうか。

 

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