寒川町に本拠を構える自動車内装部品メーカーが、事業拠点の大規模な見直しを始動させた。21日のメディアインタビューで、同社トップが本社併設工場の縮小を含む国内施設の再配置を検討中と語った。この動きは、主要取引先の自動車大手が神奈川県内の製造拠点から撤退する決断を受けたものだ。

 

この部品企業はグループ全体の売上の半数以上を特定の自動車メーカーへの供給が占める。寒川の施設では主にドアトリムなどの樹脂成形内装部品を製造し、横須賀市と平塚市の車両工場へ納入していた。しかし、これらの完成車工場は2026年度末と2027年度末にそれぞれ生産終了または機能転換が決まっている。

 

「お客様の工場近くで製造し納品することは業界の基本原則です」と同社トップは強調する。部品の生産移管先や実施時期については「詳細が固まり次第発表する」との回答にとどまった。

 

同社は九州地方に2つの拠点をすでに保有している。今後の事業再編について経営者は「部品の成形工程を現地協力企業に任せ、組立は自社で行うなど、複数の方式を模索している」と述べ、柔軟な対応策を検討していることを明らかにした。自動車産業の地域移動が、サプライチェーン全体の再構築を促している実例と言えるだろう。

 

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