現在、日本各地で自動運転の実用化に向けた取り組みが活発化しています。皆さんは自動運転にレベル分けがあることをご存知ですか？日本の公道実験では多くが「レベル2」、つまり運転手が監視しながら部分的にシステムが車両制御を行うステージです。

 

このたび、驚くべき協業が発表されました。通常なら激しく競い合う大手飲料4社（キリン、アサヒ、サッポロ、サントリー）が、自動運転開発企業「T2」と連携し、東西間の物資輸送で共同配送を開始したのです。

 

「ライバルと手を組む？」と不思議に思うかもしれませんが、実はこれには合理的な理由があります。まず、飲料製品は形状が類似しており混載に適しています。また、温度管理などの条件も共通で、主要工場の立地も似通っているため、輸送効率化が図りやすいのです。

 

この動きの背景には深刻な「物流危機」があります。運転手の高齢化や人材不足が進み、特に需要が急増する夏季には各社とも配送能力の限界に直面しています。かつては「競争相手を打ち負かせ」という発想が主流でしたが、今や業界全体の持続可能性を考える時代に変わりました。

 

今後はさらに進化した「レベル4」（特定条件下で完全自動運転）や「隊列走行」技術の実用化も期待されています。こうした取り組みは運転手不足の解消だけでなく、環境負荷軽減にも寄与するでしょう。かつてはコスト面で実現困難だった企業間協業が、技術革新と社会環境の変化によって現実のものとなっています。

 

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