労働環境の改善を訴えた結果、突如として職を奪われることがあるとしたら、あなたはどう感じるでしょうか。地域放送局の調査班が明らかにした衝撃的な実態をご紹介します。

 

ドライバー不足に悩む物流業界で、働き手が声を上げた途端に職場から締め出されるという事例が発生しています。調査班は2023年5月、北九州市でドライバーが不当な扱いを受けている事例を報じましたが、さらに取材を進めると、別の配送会社でも同様の問題が起きていることが判明しました。

 

松戸市在住の59歳男性は、鉄鋼製品を運ぶ会社で広域配送を担当していました。彼が2022年4月、同僚らと共に賃上げや法律で定められた深夜勤務手当の支給を経営陣に要請。この正当な要求が認められなかったため、最終決定権を持つ親会社の代表に直接訴えようとしました。

 

しかし企業側は彼らの行動を不法侵入と見なし、刑事告発。男性は書類送検の憂き目に遭い、最終的に不起訴となったものの、2023年2月に一方的に職を失ってしまいました。

 

「こんな仕打ちには怒りを禁じ得ません」と語る彼。定年まで働き続ける計画で9年前に購入した家には、まだ21年分のローンが残っています。「安定収入を前提に住宅を買ったのに、全く想定外の事態です」と途方に暮れる表情を見せました。

 

権利を主張しただけで生活基盤を失う現実。ドライバー確保が喫緊の課題とされる運送業界で、なぜこのような矛盾した対応が行われるのでしょうか。私たちの暮らしを支える物流の現場で何が起きているのか、考えさせられる事例です。

 

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