コロナ禍の影響で、オンライン授業が一般的となり、不登校の児童・生徒が元気を取り戻す例が、各地で見られる。不登校最新事情をリポートする。

年間約16万人が不登校

平成30年度の小・中学校における不登校児童生徒数は、16万4,528人(前年度14万4,031人)で、前年度から約14%増加している。在籍児童生徒に占める不登校児童数の割合は1.7%。

つまり、どの小・中学校でも、約2%の児童・生徒が不登校に陥っている状況だ。過去5年間の傾向としても、小・中学校ともに、不登校児童生徒数が年々、増加している。

中学校で深刻な状況

不登校の内訳を見ていくと、小学生が4万4,841人、中学生は、11万9,687人となっており、中学校でより深刻な状況だ。不登校の要因について見ていくと、小学校においては、「家庭に何か問題がある」が、55,5%と最多。中学校では、「友人関係をめぐる問題」と「家庭での問題」がともに約30%と同率首位となっている。

フリースクールなどに通えば出席扱いに

不登校の児童・生徒は、フリースクールなどに通うことで、学校長が認めれば、出席扱いとなる。フリースクールでは、不登校やひきこもりをはじめ、軽度の発達障害、身体障害、知的障害などの事情を抱えるたくさんの子どもたちを受け入れ、学びの場を提供している。

個人経営、NPO法人やボランティア団体などが運営する民間の教育機関になるので、それぞれの方針や教育理念の違いによって形態もさまざまで、かかる費用も同一ではない。共通するのは、子どもたちの主体性を尊重しているところである。

その子どもにあった選択が必要

フリースクールには、経営目的や特徴の違いによってタイプがいくつかある。また、子どももそれぞれが別の問題を抱えている。その子どもにとって、今必要な支援を受けられるところを選ぶことが大事だ。

複数のタイプがあるフリースクール

また、フリースクールには、さまざまなタイプがあるが、そのいくつかを紹介していく。

  1. 学校復帰を目標とするタイプは、もともと通っていた学校へ戻ることを希望する子どもが対象。スムーズに復学へと導くために、学校の授業の進度に合わせた学習指導を行い、卒業間近の生徒には、進路先を決めるためのサポートもする。
  2. ②学習障害(LD)や発達障害(アルペルガー症候群)のある子どもに対して、専門家がしっかりとサポートするタイプ。個々の状況に応じた学習支援のほか、社会生活を円滑に送るためのトレーニングなども行う。

日本の学校制度そのものが限界か

コロナ禍の影響から、オンライン学習が本格化し、学校に行かずに学ぶことが可能になった。これは、不登校の児童・生徒にとっては、朗報と言える。と同時に、もはや全員を教室に集めて一斉授業をする、日本の学校制度そのものが限界を迎えた。

今後は、さまざまな児童・生徒に合わせた学習機会の提供が、必須になってくると言えるだろう。

著者紹介 @sutekinamiraie @sutekinamiraie

『取材力』を武器に、そのファクトの本質は、何か?核心を伝えるべく、幅広く活動を展開。
現在、合計7社の記者・クリエイターとして活動中。
最も多く読まれたnote月間賞も受賞。