9日に横浜市で開催された中央委員会で、自動車総連は次年度の春季労使交渉において、賃金改善に関する指針を打ち出しました。具体的には1万2千円を目安とする方針が採択され、これにより中小企業の交渉力強化を図ります。業界内での賃金格差が拡大していることを懸念し、7年ぶりに明確な金額を示す決断に至りました。

 

この金額設定は強制力を持つものではなく、あくまで参考値です。大規模メーカーや主要部品企業の労組は、これを上回る額で交渉を展開するでしょう。会見で金子晃浩会長は「格差の広がりを放置できない」と危機感を表明しています。併せて、ボーナスについては5カ月分を基準とし、年間休日の5日間増加や適正な価格転嫁の実現も要求項目に含まれています。

 

あなたが気になるのは、今後の交渉展開ではないでしょうか。海外市場の不振による完成車メーカー間の業績差が、どう交渉に影響するのか注目されています。これまで自動車総連は各組合に要求額の決定を任せてきましたが、今回の方針転換は中小企業の底上げを重視した戦略と言えるでしょう。大手と中小の待遇差をどう縮めていくのか、業界全体の課題として浮き彫りになっています。

 

 

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