物流業界に激震が走っています。2025年12月期の業績見込みについて、ＮＩＰＰＯＮ　ＥＸＰＲＥＳＳホールディングス（ＮＸＨＤ）が2024年4月12日に衝撃的な発表を行いました。当初340億円と見積もっていた純利益予測を、わずか100億円へと劇的に下方修正したのです。これは前年比で約7割近くも減少する計算になります。

 

この大幅な見直しの背景には、複合的な要因が絡み合っています。アメリカの関税政策をめぐる不透明感や中東地域の緊迫した情勢により、国際物流の需要が想定以上に冷え込んだことが挙げられます。さらに、約500億円ものれん減損損失と、約70億円の事業譲渡関連損失の計上が業績を圧迫することになりました。

 

特にのれん減損については、欧州市場でのビジネス実績に基づくキャッシュフロー予測の見直しや、世界的な金利上昇による割引率の増加が主な原因とされています。これに対し、不動産売却益は当初計画の約70億円から約580億円へと大幅増額する方針を打ち出しました。

 

その他の指標においても下方修正が行われ、営業利益は610億円から500億円（前年比1.9%増）へ、売上収益は2兆6000億円から2兆5800億円（同0.1%増）へと引き下げられています。これらの数字は市場予想を大きく下回り、証券アナリスト9名による予測中央値337億円と比較しても、純利益は約3分の1の水準にとどまる見通しです。

 

また同社は財務戦略の一環として、発行済み株式の約6.9%に相当する1800万株を4月28日に消却する決定も同時に発表しました。このような大胆な経営判断の背景と今後の展開に、投資家や業界関係者の注目が集まっています。

 

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