長らく低水準だった貨物自動車の有効活用度が顕著な改善傾向にある。国交省が2024年9月26日に発表した統計情報によれば、2024年度の商用貨物車の有効活用率は41.3%に達し、前年度と比較して1.4ポイント上昇した。これは2015年度以来、実に9年ぶりに40%台を回復した画期的な数値だ。

 

あなたの企業でも輸送効率は大きな課題ではないだろうか。長年にわたり効率性が低下していた背景には、少量の荷物を頻繁に配送する慣行があった。しかし、運転手不足の深刻化と労働時間規制の強化により、この非効率な慣行を見直す機運が業界全体で高まっている。

 

輸送能力は前年比2.5%減少したものの、実際の輸送量は0.8%増加した点に注目すべきだ。これは限られた資源でより多くの荷物を運ぶことに成功していることを示している。特に大型車両（積載量6.5トン以上）の効率化が進み、中でも11〜16トン未満の車両は44.0%と最も高い活用率を達成した。

 

食品業界などでは共同配送の拡大や納品条件の見直しが進んでいる。あなたの会社でも、配送頻度の適正化や最低配送量の設定などを検討してみてはどうだろうか。

 

政府は2030年度までに全体の有効活用率を44%まで引き上げる目標を掲げている。2026年度からは大手荷主に対して改善計画の提出義務化も予定されており、あなたの取引先にも影響が及ぶかもしれない。物流危機を乗り越えるため、荷主と運送業者が一体となった効率化の取り組みがますます重要になるだろう。

 

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