運送業界における人材確保の苦境は深まる一方です。X Mileが実施した最新調査では、輸送関連企業の経営者とドライバー計900名以上から回答を得た結果、6割超の事業者が要員不足に直面していることが明らかになりました。

 

地域によって状況は異なり、中国地方では75%もの企業が人材不足を訴える一方、東北では比較的余裕があるようです。この格差は各地の物流需要の違いを反映していると考えられます。あなたの住む地域ではどのような状況でしょうか？

 

現場離れを引き起こす主因は何でしょうか。調査では「低賃金」が最大の退職理由として浮かび上がりました。次いで「長時間労働」「体力的負担」そして「職場環境の悪さ」が続きます。高速道路を使わず一般道を強いられたり、納品先での長時間待機を余儀なくされたりする現状では、やりがいを感じることも難しいのではないでしょうか。

 

女性ドライバーの活用も進んでいません。積極採用は全体の約1/4にとどまり、半数以上が消極的姿勢を示しています。さらに気がかりなのは、女性採用の理由が「企業イメージ向上」など表面的な動機に偏っていることです。更衣室やトイレなどの基本設備、荷役作業を軽減する機器の整備も不十分なままでは、多様な人材を惹きつけることはできないでしょう。

 

この危機的状況を打開するには、荷主企業を含めた業界全体での抜本的な改革が不可欠です。私たちの日常生活を支える物流の持続可能性は、こうした取り組みにかかっているのです。

 

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