東京ビックサイトで開催中の「ジャパンモビリティーショー2025」で、目を引く存在があります。三菱ふそうが披露した次世代大型トラック「H2IC」と「H2FC」は、来場者の視線を釘付けにしています。あなたが見慣れた従来のトラックとは、まるで別次元の乗り物です。

 

想像してみてください。深みのあるグリーン系のボディに、サイバー空間から抜け出したようなグラデーションの荷台。フロントには光り輝くFUSOロゴ。なんとデザイナーのこだわりにより、4層もの塗装が施され、高級車さながらの質感を実現しているのです。SF映画に登場する未来の乗り物さえ彷彿とさせる外観に、思わず「これが本当にトラック？」と目を疑ってしまうかもしれません。

 

この2台に共通するのは水素という動力源ですが、その活用方法は大きく異なります。「H2IC」は水素を直接燃焼させるエンジン車で、従来のディーゼル車と共通技術を活用。一方の「H2FC」は液体水素による燃料電池を搭載しています。特に「H2IC」は約700kmの走行が可能ですが、そのためには8本もの水素タンクが必要となり、車体構造にも独自の工夫が施されています。

 

環境に配慮した未来の輸送手段として期待される水素トラックですが、実用面ではまだ課題も。例えば「H2IC」の場合、満タン給水に25分もかかり、水素ステーションも全国約150カ所と充実しているとは言えません。それでも、カーボンニュートラルへ向けた物流革命の先駆けとして、これらのモデルが切り拓く未来に注目してみてはいかがでしょうか。

 

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