若松区を中心に移動手段を提供している北九州市のバスサービスが大きな転機を迎えようとしています。市は2026年春からの料金体系見直しを九州運輸局へ申請しました。消費税関連以外では実に14年ぶりの本格的な改定となる見通しです。皆さんが普段利用する基本料金は、乗車時の240円まで跳ね上がる計画で、平均すると約2割近い増額になります。

 

「なぜこのタイミングで値上げなの？」と疑問に思われる方も多いでしょう。実は市営バス事業は表面上の黒字を保っていますが、それは市からの3億円の財政支援があってこそ。燃料価格高騰や乗客減少が続く中、100円の収入を得るためには135円のコストがかかる厳しい運営状況に直面しています。コロナ前と比較すると、利用者数は3割近く落ち込んだままなのです。

 

この改定で見込まれる年間1億1000万円の増収は、将来的な独立採算への第一歩になると期待されています。さらに、観光バスのチャーター事業拡大など新たな収益源も模索中です。

 

一方で、市民生活への配慮も忘れていません。お子さんや若者向けに休日・長期休暇時の特典が新設されます。小学生は無料、中高生は100円で乗車できるようになり、家族でのお出かけがしやすくなるでしょう。また70歳以上の方々には割引定期券制度も用意されます。

 

この料金改定は市の条例改正と運輸局の認可を経て、2026年4月から実施される見込みです。地域の公共交通を持続可能にするための取り組みとして、市民の皆さんのご理解とご協力が求められています。

 

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