トラック輸送企業の破綻状況好転、課題は山積
2025年前半、トラック輸送業界における経営破綻の状況に変化が見られています。4月から9月までの期間で、倒産企業数が163社と前年を15%余り下回り、5年ぶりに減少に転じました。財務的な負担も約193億円と前年比約7%減少し、3年連続で改善しています。特に中規模の破綻案件が減少していることが、全体の数値を押し下げる要因となりました。
あなたの会社でも感じているかもしれませんが、輸送業界を取り巻く環境は依然として厳しい状態です。スタッフ確保の困難さは相変わらず大きな壁となっており、「採用難」や「給与コスト増加」に関連した破綻が依然として36件発生しています。燃料価格の高騰に起因する経営難も44件報告されていますが、これは前年の59件から減少しました。
輸送料金への転嫁が少しずつ浸透してきた結果、業界全体としては一時的な安定を見せています。しかし、輸送業界特有の多層的な下請け構造の中で、荷主との交渉力が弱い中小企業は苦戦を強いられています。コスト上昇に見合った収入が得られず、さらに深刻な人材不足が受注機会の損失を招いているケースも少なくありません。
こうした課題への対応として、来年には「改正物流効率化法」が4月に、「改正下請法」が翌年1月に順次実施される予定です。これらの法改正は、皆さんのビジネス環境の改善に役立つでしょうか?実際のところ、効率性の向上と労働環境・賃金の見直しによる人材確保以外に、根本的な解決策は見当たらない状況です。
資金繰りに余裕がなく、経営改革の時間的猶予も乏しい小規模事業者を中心に、今後の倒産状況は一進一退が続くものと予測されます。皆さんの会社では、こうした厳しい状況をどのように乗り切る計画でしょうか?
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