「人手に頼った作業がまだまだ主流の物流業界。この現状をどう見ますか？」実は、この状況はデジタル技術導入による効率化の大きなチャンスでもあります。今、様々なIT企業が物流分野に次々と参入し、企業間連携を促進するプラットフォームが誕生しています。しかし、こうした動きに対して業界内から懸念の声も聞こえてきます。

 

従来の「各社が独自に物流を最適化する」という考え方は転換期を迎えています。人材確保が困難な今日、競合他社との協力なしには限界があるという認識が広がっているのです。2025年3月、NECは企業の枠を超えた共同配送の仕組みを発表。複数企業の配送データを分析し、最適な組み合わせを自動で見つけ出すシステムの運用を始めました。

 

また、官民連携の取り組みも活発化しています。国の戦略的イノベーション創造プログラムでは、企業間で物流・商流データを共有するオープンなプラットフォーム構築を検証。さらに2025年1月には、ヤマトホールディングス系列会社が富士通と協力し、共同輸配送システムの稼働を開始しました。

 

これらの取り組みは、企業の協力関係を強化し、業界全体の非効率を解消する可能性を秘めています。経済産業省も2018年のレポートで「競争に関わらない領域では共通プラットフォームを構築すべき」と提言しており、まさに物流業界はその実践の場となっています。

 

あなたの会社の物流戦略は時代に合っていますか？単独での最適化に限界を感じているなら、業界横断的な連携の波に乗り遅れないことが重要かもしれません。ただし、データ共有のメリットを享受しつつ、自社の競争優位性をどう守るかという新たな課題にも向き合う必要があるでしょう。

 

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