降雪時や凍結した路面での安全走行に欠かせないのがトラックチェーンです。タイヤに装着したチェーンのおかげでグリップ力が向上し、スリップ事故を防止できます。

しかしチェーンの取りつけ方や外し方について、詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は寒い冬の季節への備えとして、トラックチェーンの取りつけ方や外し方について解説します。

なぜ降雪時や凍結時はトラックチェーンが必要なのか?

そもそもなぜ降雪時や凍結時にはトラックのタイヤにチェーンを装着する必要があるのでしょうか。

チェーンは凍結路や降雪時の「滑り止め」の役目をはたします。路面の凍結や雪が降り積もってしまうと、走行中にタイヤがスリップしてしまいます。ハンドル操作やブレーキ性能にも影響するため、運転に大きな危険が伴いかねません。

チェーンを装着すれば雪道の路面にチェーンがくい込むように走行するため、グリップ力が向上し安全運転につながります。 近年ではスタッドレスタイヤの性能が向上してきましたが、グリップ力ではチェーンの方が優れています。

大切な荷物を運ぶトラックドライバーや運送会社からすれば、安全性を高めるためチェーンを装着するケースが多いようです。またスタッドレスタイヤは価格が高い点や、タイヤ交換が必要な点などがネックですが、チェーンなら手頃な値段で購入でき、自分で取りつけができる点も強みです。

トラックのチェーンのつけ方~収納方法まで解説

ではトラックのチェーンの取りつけや外し方、収納方法について見ていきましょう。

チェーンの着脱は屋外で行うため、事前に作業用の道具を用意しておくと便利です。具体的には、 軍手 懐中電灯(夜間の作業を想定) スコップ(雪を掘り出す) チェーンを引っ張る針金状の棒 などが挙げられます。

また寒い屋外での作業は手がかじかんでしまうため、携帯用カイロを準備しておくと作業が捗ります。

チェーンの取りつけ方

1.安全なスペースを確保する
2.チェーンの表裏を確認する
3.駆動輪のタイヤにチェーンを被せる
4.内側→外側の順番で金具(ラッチ)を留める
5.20m程度走行してから増し留めをする

トラックのチェーンを取りつける際は、まず安全なスペースを確保してください。坂道やカーブなど見通し悪い場所では追突事故などにつながりかねません。

なるべく地面が平らで交通の邪魔にならない場所で作業を行います。冬場の降雪が多い地域ではチェーン取り付けエリアが設けられているので、こういったスペースを活用すると安心です。

安全が確保できたら実際にチェーンを取りつけていきます。まずチェーンの表裏を確認してください。金属の金具が折り返している方が表側です。折り返し部分が裏側(タイヤ方向)に向いていると、走行中にタイヤが破損してしまうため注意してください。

チェーンを取りつけるタイヤは「駆動輪」を選んでください。トラックでは後輪駆動が多いですが、あらかじめご自分のトラックの駆動輪を確認しておくと間違いがありません。チェーンをタイヤ全体に被せていきます。外側の金具(ラッチ)を仮留めし、車体をゆっくり動かして内側の金具を留めやすい位置で停車させます。

外側の仮留めを外して、内側からしっかりラッチを留めていきます。内側が終わったら、外側も留めてください。ゴムバンドやスプリングが付いているタイプは、このタイミングで装着します。

またカムロックが付いているタイプは、レンチを使ってロックを締めてください。 最後に20m程走行をして、増し留めをしたら完了です。

チェーンの外し方

1.つなぎ目がタイヤ後方に来る位置で停車する
2.ゴムバンドを外す(カムロックを緩める)
3.タイヤの外側のチェーンを外す
4.タイヤの内側のチェーンを外す
5.車体を動かしてチェーンを取る

チェーンの外し方は、つけ方の手順を逆にしていく要領で作業をします。 まずチェーンのつなぎ目がタイヤの後方に来る位置で停車します。

つけ方でも解説したように、チェーンの着脱は安全なスペースを確保してから作業してください。 次にゴムバンドやスプリングを外します。カムロックタイプの場合は、レンチを使ってロックを緩めていきます。 チェーンが緩んだら、タイヤの外側から外していきます。

外側→内側の手順で作業をすると、チェーンを緩みやすくスムーズに作業ができます。外側が外し終わったら、続けて内側のチェーンも外していきましょう。 最後に車体を動かしてチェーンを回収して終了です。

チェーンの収納方法

チェーンを収納する際は、走行中に雪で濡れてしまうことを念頭に置いて、水が漏れないようなケースを用意しておくと便利です。

そのまま車内に置くと水濡れや汚れが付くため注意してください。 使用後はチェーンの素材によって収納方法が異なります。まず金属タイプはチェーンを水洗いし乾燥させてから収納します。

防錆剤を塗っておくとサビの発生を予防でき長持ちします。 ゴムタイプのチェーンは水洗いやタオルで拭くなどして汚れを取り除いてから陰干ししてから収納してください。

一点注意したいのが、ゴム素材は熱に弱いため、夏場は高温になりやすい環境での保管は避けるようにしてください。

おすすめのトラックチェーン

最後にトラックチェーンの中から、おすすめの商品をご紹介します。

SCC JAPAN トラック用タイヤチェーン

SCC JAPANは1986年に日本に上陸したアメリカのタイヤチェーンブランドです。アメリカでの長年の経験と走行実績から開発された商品はドライバーからの信頼が厚く、日本の使用環境に合わせて改良も加えられています。

手軽に装着できる上、耐久性や環境適応性に優れており、雪道や凍結路での安全走行をサポート。チェーンの種類は高いグリップ力を発揮する金属製はもちろん、耐久性に優れた非金属のケーブルチェーン、金属とケーブルを組み合わせたハイブリッドチェーンなど幅広い品揃えも人気です。

小型~大型トラックまで車体のサイズに合わせた商品が揃っているため、用途や車体サイズに合わせて最適な商品をお選びください。

SCC JAPANタイヤチェーン 商品別性能比較表

SCC JAPANのトラック用タイヤチェーンはこちらから

北海道製鎖 緊急脱出用チェーン

雪上や凍結路でタイヤがスタック(車が立ち往生すること)した際に頼りになるのが緊急脱出用チェーンです。

「北海道製鎖 緊急脱出用チェーン」はジャッキアップ不要でワンタッチ取り付けが可能。トラックに一個積んでおけば、万が一の場面でも慌てずに対応できます。

まとめ

今回は雪上や凍結路でも安全に走行できるトラックチェーンについてご紹介しました。 積雪や凍結時の走行は、トラックがスリップする恐れがありとても危険です。

タイヤに装着することで「滑り止め」の役目を果たしてくれるチェーンがあれば、寒い冬の季節でも安心して走行できます。冬のシーズンが本格化する前にトラック用のチェーンを準備しておくとのがおすすめです。