法律より先に動いた企業のやり方って何が違うん?

テルヤン:なぁカズキ、スポーツ用品のアルペンがめちゃ面白いことやってんで!

 

カズキ:なんやねん急に。どんなことやってんの?

 

テルヤン:物流統括管理者、いわゆるCLOっちゅうのを法律で義務化される前から入れとるらしいねん。

 

カズキ:え、まだ義務ちゃうのにか?それはすごいな。

 

テルヤン:せやねん。しかもアルペンは今のところ法律の対象企業にすら入っとらんのや。それでも経済産業省が事例集で特別編として取り上げるくらい力入れとる。

 

カズキ:義務やないのにわざわざやるって、相当メリットあるんやろな。

 

テルヤン:執行役員の濱中さんっちゅう人がおってな、この人が実質的にCLOの機能を担っとんねん。ポイントはな、物流だけ良くするんやなくて、会社の意思決定そのものを変えていくっちゅう考え方やねん。

 

カズキ:ほーん。つまり倉庫や配送を効率化するだけの話やないってことか。

 

テルヤン:そうそう!商品をどう作るか、在庫をどこに持つか、いつどのルートで供給するか。そういう経営判断全体を物流視点で組み立て直すっちゅうことやねん。

 

現場で実際どんな取り組みしてるんや?

効率的な物流倉庫管理システムのイメージ
画像: Pixabay

カズキ:で、具体的には何からやったん?

 

テルヤン:まず物流をぜんぶ数字で見える化したんやて。どこから荷物が来て、どこに保管されて、どこへ出ていくか。どの工程に時間かかって、どこでコストが膨らんでるか。それを全部洗い出したらしいで。

 

カズキ:見えんもんは改善できひんもんな。地道やけど大事やわ。

 

テルヤン:当時は外部倉庫が30から40か所もあってな、同じ商品が十数か所にバラバラに置いてあったんやて。そら横持ち輸送も増えるし、コストもかさむわな。

 

カズキ:それは非効率やな。どないして直したん?

 

テルヤン:倉庫を統合して、在庫の置き方を設計し直したんや。ただ減らすだけやなくて、どの商品をどの拠点に置いて、どのチャネルにどう届けるかを根本から考え直したらしいで。

 

カズキ:システムも変えたんやろ?

 

テルヤン:そうやねん。倉庫管理システムを全面的に刷新して、作業指示や在庫管理のやり方まで再設計したんやて。ただのIT更新やなくて、未来の物流をどう作るかを経営から現場まで議論して、システムを通じて業務そのものを作り直したわけや。

 

カズキ:それは手間かかるけど、ちゃんと意味ある投資やな。

 

テルヤン:ほんでな、庫内の自動化にも早くから手ぇつけてんねん。2018年ごろからEC物流にロボット入れたり、国内初のシステム導入したり、かなり攻めてる。

 

カズキ:自動化は今どこもやっとるけど、早かったんやな。

 

テルヤン:せやけど、ただ入れるだけやと失敗すんねん。最初は通信トラブルとか運用のズレで出荷遅れたこともあったらしいわ。半年から1年かけて業務を機械に合わせて作り替えて、やっと本来の力が出るようになったんやて。

 

カズキ:自動化も入れて終わりやないんやな。

 

テルヤン:投資判断も厳しいで。回収期間は原則5年、長くても7年。工程を秒単位で分解して、どこに時間かかってるか見極めてから投資するんやて。

 

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経営と現場をつなぐ仕組みってどうなってんの?

カズキ:濱中さんって人、どこまで決められるん?

 

テルヤン:レポートラインはCOOやねん。物流戦略とかプロセス改善は基本的に自分で判断できるけど、商品戦略や大型投資は経営承認が必要やねんて。

 

カズキ:なるほど、線引きはあるんやな。

 

テルヤン:でも大事なのは、物流が経営と直接つながって、商品、調達、販売、店舗、ECとか各部門を横断して意思決定できる体制があることやねん。月次や週次で関係部門と議論して、数字を共通言語に全体最適を提案していくんやて。

 

カズキ:物流部門だけで閉じてたら意味ないもんな。

 

テルヤン:そうやねん。商品の入れ方、在庫の持ち方、店舗への届け方、ECの出荷スピードまで、部門またいで調整すんねん。この社内接続力が、制度より先にCLO機能を作れた理由やって。

 

カズキ:店舗作業まで考えてるって聞いたけど、そこまでやるん?

 

テルヤン:小売の難しいとこはそこやねん。倉庫で効率化したら店舗作業が増える。店舗の負担減らそうとしたら倉庫側の梱包や仕分けが複雑になる。そのバランスを数字で示して、全体で一番ええ形を選ぶのがCLOの仕事やねんて。

 

カズキ:トレードオフをどう判断するかってことか。

 

テルヤン:アルペンでは新店向けやと、売場レイアウトに沿った荷姿で梱包したり、フォロー商品は売場単位で混載して充填率と店舗作業のバランス取ったりしてるらしいで。

 

カズキ:細かいとこまで設計しとるんやな。

 

テルヤン:プライベートブランドやと、工場段階で袋入れやインナー箱化して、国内でのタッチ数を減らすんやて。工場原価は上がるかもしれんけど、国内物流コスト含めた総コストでは安くなる場合があるんや。

 

カズキ:自社企画商品を持ってるからこそできる戦略やな。

 

これから物流統括者に求められるもんって何やろ?

効率的な物流倉庫管理システムのイメージ
画像: Pixabay

テルヤン:濱中さんが言うにはな、予測だけに頼らんのがポイントやねんて。

 

カズキ:予測せんでどうすんの?

 

テルヤン:スポーツ用品は季節や天候、トレンドで需要が変わるやろ。どんだけ予測精度上げても読み切れん変化は残るねん。やから変化に対応するスピードと柔軟性を競争力にするんやて。

 

カズキ:なるほど、対応力そのものを武器にするわけか。

 

テルヤン:週末の販売実績は月曜9時には経営層で共有されて、その日のうちに必要な施策を決めて、水曜から金曜の店舗供給に反映させるらしいで。

 

カズキ:めちゃ速いやんか。

 

テルヤン:あと次の焦点は関東圏の新拠点構想やねん。神奈川エリアで新たな基幹拠点を計画しとって、中京エリアでやってきたノウハウを横展開するつもりらしいわ。

 

カズキ:将来的には共同配送とかも視野に入れてるん?

 

テルヤン:せやねん。まずは自社の成長対応が最優先やけど、スポーツ領域の物流能力を高めて、中小メーカーの納品や配送を担うプラットフォームみたいな役割も考えてるんやて。

 

カズキ:海外での集約とかもできるんやろ?

 

テルヤン:そうそう。近隣の工場で複数の日本企業向け商品が作られてるケース多いから、海外で荷物を集約して需要地ごとに直接輸送できれば、国内での中継輸送減らせるかもしれんねんて。

 

カズキ:ええ話やけど、一社では無理やな。

 

テルヤン:そういうこっちゃ。複数社の荷量を束ねることで新たなネットワーク作れる可能性があるんや。

 

カズキ:で、結局CLOって何が大事なん?

 

テルヤン:濱中さんは名前にこだわらんって言うてんねん。大事なのは物流を起点に会社の意思決定を変えて、競争力ある形で動かしていけるかどうかやって。

 

カズキ:ほんまやな。役職名やなくて中身の話やもんな。

 

テルヤン:人材育成もしっかりやってて、CLO候補生を選んで週次で個別レクチャーしたり、外部同行させたりしてるんやて。属人的な改革者だけやなくて、継続的に育てる仕組みが必要やねん。

 

カズキ:アルペンは義務化対象やないのにここまでやってるって、ほんま参考になるわ。

 

テルヤン:せやろ。物流が売上を支えて、顧客体験を変えて、店舗運営を変えて、EC成長を支えて、企業の競争力そのものを左右するからこそ、法律待たんと動いたんやろな。

 

カズキ:これからCLO導入する企業は、この事例しっかり見といた方がええな。制度対応だけやなくて、経営そのものを変える覚悟が必要やってことやな!

 

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