2024年の防火統計が総務省消防庁から11月25日に公表され、富山県が人口1万人当たりの火災発生率で34年続けて日本一低い記録を保持していることが明らかになりました。1.88という数値は全国平均2.97を大きく下回っています。

 

興味深いことに、この実績には歴史的背景があります。大正時代、度重なる大火に悩まされた富山市は最先端の消防設備を導入。それ以来、市民の間で消防への関心が高まったといわれています。

 

県の消防当局によれば、富山県の優れた防火実績には二つの要因があるようです。一つは持ち家率の高さから生まれる住民の防火意識の高さ、もう一つは子どもたちが早期から「少年消防クラブ」で防災教育を受けていることです。

 

対照的に、能登半島地震の影響を受けた石川県では、建物焼損面積が前年の約4倍に拡大。特に輪島朝市の火災では約2万9300平方メートルもの焼損被害が発生しました。この教訓から、石川県では地震時に自動で電気を遮断する「感震ブレーカー」設置の補助制度を開始しています。

 

また、森林火災対策でも富山県は突出した実績を示しており、2024年は全国唯一、森林焼失面積がゼロでした。気候変動で世界的に山火事リスクが高まる中、消防庁は「林野火災注意報」発令制度を新設し、自治体に条例改正を促しています。

 

あなたの住む地域の防火対策はどうなっているでしょうか？家庭での防災意識を高め、次世代に安全な暮らしの知恵を伝えることが、富山の事例から学べる大切な教訓かもしれません。

 

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