中東の経済大国サウジアラビアが12月2日に来年度以降の財政計画を承認しました。2026年度の国庫は1650億リヤル（約440億ドル）の赤字が見込まれ、これはGDP比で3.3%程度になる見通しです。皆さんは「赤字なのに大丈夫なの？」と思われるかもしれませんが、実はこれは意図的な財政運営なのです。

 

興味深いことに、この赤字額は現行年度の推計値2450億リヤルと比較すると大幅な改善が期待されています。なぜでしょうか？王国政府は石油依存からの脱却を図り、非石油セクターからの収入増加を目指して、産業や物流分野への戦略的な投資にシフトしているからです。

 

具体的な数字を見てみると、2026年度の支出総額は1兆100億リヤルと予測され、今年度の1兆3400億リヤルから減少する計画です。一方で収入は1兆1500億リヤルと、今年度の1兆1000億リヤルをわずかに上回ると見込まれています。このバランスをどう評価されますか？

 

同国の財務大臣は記者団に対し「これは計画的な赤字であり、政策選択として2028年度まで赤字を継続する」と説明しています。ただし課題もあります。2025年度の財政赤字はGDP比5.3%と当初目標の2倍以上に拡大する見通しで、国の借入金も年末までに約1兆5000億リヤル（GDP比31.7%）まで膨らむと予測されています。

 

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