多様性を尊重し幸福を追求する職場づくり―日総ぴゅあの革新的取り組み
「愛され、認められ、貢献し、必要とされること」。これこそが人間の幸福の基盤といえるでしょう。横浜市に拠点を置く特例子会社「日総ぴゅあ」は、この理念に基づき、障がいのある方々を「チャレンジドスタッフ(CS社員)」と呼び、彼らの可能性を広げる環境づくりに注力しています。遠藤太嘉志社長は「社会的自立はゴールではなく、そこから先の幸せな人生こそが真の目標」という考えを掲げています。
日総ぴゅあは、NISSOホールディングスグループの一員として2007年に設立され、現在は212名の社員のうち186名が障がいを持つ方々です(2025年4月時点)。他の特例子会社と異なる点は、外部企業からの業務委託を直接受けている点で、これにより社員のキャリア発展の可能性が広がっています。実際、今年5月には幸浦事業所で勤務していたCS社員が業務委託先の阿部興業の正社員として採用されるという成功例もあります。
「あなたは今までどれだけ他者から称賛されてきましたか?」日総ぴゅあでは、CS社員が自分の価値を実感できるよう、さまざまな「称賛の仕組み」を構築しています。リーダーへの昇進制度、成長や貢献に対する表彰制度、そして専門技能を認定するマイスター制度などを通じて、CS社員の自己肯定感を高める工夫を凝らしています。2024年度には52件の業務改善提案があり、5名がマイスター認定を受けました。
職場では、菓子箱の組み立てやゴルフ用品製造、データ処理など、個々の特性に合わせた多様な業務が提供されています。ある25歳のCS社員は「進捗管理がうまくいったときにやりがいを感じる」と語り、「リーダーになることが目標」と意欲を見せます。彼の休日の楽しみは船舶撮影で、「いつか家族と世界一周クルーズに行きたい」という夢を持っています。
同社は「決めつけない」「公平なチャンス提供」「諦めない指導」「理想の追求」という四つの行動指針を基に運営されています。「できる、できない」を既存の概念で判断せず、個々の特性に応じた成長機会を提供する姿勢が、10年以上勤続するスタッフが30%を超えるという高い定着率につながっています。
経営面では課題も抱えており、親会社からの支援に依存している現状があります。しかし遠藤社長は「より多くの業務委託を獲得し、CS社員の活躍の場を拡大したい。単体での収益性を高め、社員に還元できる会社を目指す」と展望を語っています。障がいの有無に関わらず、すべての人が自分の可能性を信じ、互いに認め合える社会づくりの一例として、日総ぴゅあの挑戦は続いています。
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