公共交通の岐路に立つ北陸地方のバス事業
公共交通の未来が問われている。北陸鉄道が2025年3月15日から金沢市周辺のバス路線7区間の運行停止を決定したことで、地域住民の足が再び失われる危機に直面している。8年連続となる路線撤退は、深刻な人材不足を象徴する出来事だ。
あなたの生活圏内でもバスや電車の減便を実感していないだろうか。公共交通は、多くの地域で崩壊の危機に瀕している。
運転士確保のため、北陸鉄道は専門部署設立や会社説明会、体験イベント開催など様々な施策を展開してきた。しかし、その効果は限定的だ。2024年から25年にかけての新規採用は中途入社の17名のみで、若手の新卒採用はゼロ。乗務員の平均年齢は51歳を超え、運賃値上げによる待遇改善も模索している。
「なぜバスが消えていくのか」と疑問に思ったことはないだろうか。路線の縮小は都市部にまで広がっている。この危機を打開するため、同社は子会社の北鉄金沢バスの吸収合併を決断。人材の効率的な配置を目指す苦肉の策だ。
行政と事業者の間には認識の溝も存在する。金沢市は「最大限のバックアップ」を約束する一方、市幹部からは「事業者からの革新的な提案不足」を指摘する声も。逆に北陸鉄道側は、現状の補助金では赤字を埋められないと訴える。昨年度は約7億5千万円の公的支援を受けながらも、路線バス事業では約8億8千万円の赤字を計上した。
「このままでは私たちの移動手段はどうなるのか」。この問いに対する答えは、行政と事業者の協力関係にかかっている。すでに鉄道事業では今年度から15年間で132億円規模の行政支援が始まったばかり。限られた資源をどう配分し、私たちの日常を支える交通網をどう維持するか。これは単なる企業の問題ではなく、地域社会全体で考えるべき課題なのだ。
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