起亜自動車が初めて開発した電気式PBV「PV5」が「2026世界今年のバン」の称号を手にしました。これは韓国メーカーとして初の快挙で、革新性が高く評価された結果です。同社は今後、この車両を武器に世界の商用車市場での存在感を高める戦略を展開しています。

 

20日の発表によれば、「ソルトランス」展示会で審査員全員一致の支持を得て選出されました。1992年から続くこの権威ある賞は、アジアの電気商用車としては初めての受賞となります。

 

世界の電気商用車市場は急成長中です。韓国自動車モビリティー産業協会の7月発表データでは、昨年の世界販売台数は66万台に達し、前年から4割増加しました。特に中国市場は90%増の約45万台、次いで欧州が11万7000台、米国が2万5000台と続きます。しかし、商用車全体における電気自動車の割合はまだ7%程度にとどまっています。

 

現在、米国ではリビアンやフォードなどが物流大手向けに、欧州ではベンツやフォルクスワーゲンが多様なモデルを展開し、中国市場では低価格帯の車両が普及しています。一方、韓国市場ではPV5の登場まで電気小型商用車の選択肢がほとんどありませんでした。

 

PV5の最大の魅力は、用途に応じたカスタマイズが可能な点です。貨物運搬向けの「カーゴ」タイプや、人員輸送用の「パッセンジャー」タイプから選択でき、来年にはさらに多様なバリエーションが追加される予定です。今年8～10月のデータでは、登録された2173台のうち、約72%が個人購入者だったことからも、その汎用性の高さがうかがえます。

 

起亜は2027年のPV7、2029年のPV9と製品ラインを拡大し、2030年までに世界で25万台の販売を目指しています。あなたのビジネスや日常の移動に、こうした次世代モビリティが新たな選択肢を提供するかもしれません。環境への配慮と実用性を兼ね備えた電気商用車の時代は、確実に近づいています。

 

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